キックドラム・キック

 キック(バスドラム)はポピュラー音楽において通常ドラムセットに組み入れて使用される大型、低音の打楽器。鼓面(ヘッド)の直径は20インチ(50cm)~26インチ(66cm)。ペダルを踏むことで撥の先端部分のビーターが鼓面を叩いてを音を出すが、曲種や曲想に応じてペダルを踏む際の強弱やアクセントを変化させる。バスドラムには穴あきタイプと穴の空いてないタイプがある。穴の空いているタイプはアタック音が強く、主にロック系に利用し、穴のないタイプはJAZZ系の音楽などに利用される。
 ビーターの素材はフェルト、ウッド、樹脂など、形状も円柱型や立方体などがある。。
ドラムセットとしてはバスドラムの他フロアタム、ロータム、ハイタム、スネアドラムなどのドラム類とライドシンバル、クラッシュシンバル、ハイハットシンバルなどのシンバル類が組み合わされる。最近はデジタルバスドラムもある。図はパールRS525SCW/C31のドラムセット

奏法

オープン奏法 クローズ奏法
 オープン奏法はバスドラムをキックした際、足をペダルからすぐ離すことによって、バスドラムのヘッドからすぐビーターを離す奏法のこと、クローズ奏法はバスドラムをキックした際、足をペダルから離さず、ビーターをバスドラムのヘッドに押し付ける奏法のことである。オープン奏法は音の余韻が長く、大砲の発射音の様な音を出すのに対し、クローズ奏法は音の余韻をミュートした音を出す。
ヒールアップ奏法 ヒールダウン奏法
 ヒールアップ奏法はかかとを床から浮かせて演奏し、ヒールダウン奏法ではかかとを床に着けて演奏する。ポピュラー音楽ではヒールアップ奏法の頻度が高く、特にハードロックやヘヴィメタルのドラマーはほとんどがヒールアップ奏法を用いている。その理由としてヒールダウン奏法よりヒールアップ奏法の方が体重を掛けやすく、大きな音を出しやすいためだが、かかとを浮かせる分だけヒールダウン奏法に比べ体のバランスが崩れやすい。ヒールダウン奏法は多くの場合、ジャズなどで使用される。また、ヒールダウン奏法は足のすねの付近にかかる負担が大きく、ライブやコンサート等の長時間演奏に耐えるには訓練が必要といわれる。

 ミュートはコンサートバスドラムと同様の他、ビーターにフェルトを巻く、穴あきドラムの場合は中にベビー用毛布などを入れるなど。

ウォルターピストン「管弦楽法」など参照 シンバル