音部記号
マンドラの音部記号は高音部記号(ト音記号)を用いるが、実音は一オクターブ下になる移調楽器である。マンドリンアンサンブルでは中音部記号(アルト記号)に馴染みがないこともト音記号(高音部記号)を使う理由だろう。
このため、マンドリン奏者がマンドラに転向するのは比較的容易だ。ただし、マンドラの運指は楽器が大きいことからマンドリンと同じにすることは困難な面もあるが、一般的なマンドラの奏法はマンドリンと同様の運指法を用いている。弦長はマンドリンが33.5cmに対して43~44cn程度と11cm、30%ほど長い。
マンドロンチェロの弦長57cm程度と比較すると13cm程、23%短い。
ヴァイオリン族のヴィオラの場合も音部記号は異なり調弦も違うが、運指法はヴァイオリンと同様のため、手の大きい人をヴィオラの奏者としている。これはマンドラテノーレやマンドラコントラルトの状況と同様だともいえる。ちなみにヴィオラの弦長38.7cmはヴァイオリンの32.3cmよりも25%ほど長い。マンドラよりは6cm短い。また、ヴィオロンチェロの弦長は68cm程度である。
マンドリン族の楽器と手の大きさ
マンドリンアンサンブルの人の手の大きさに関しては2011年に石橋敬三氏がアンケートを行い、95名から回答を得ている。それによればマンドリン、マンドラ、マンドチェロ、ギターとも奏者の指の長さはほとんど変わりない。このことは指の長さで楽器を選定していないことになる。アンケートによれば、マンドラの人が楽器に対する満足度が低い結果となっている。
このことから、マンドラに関しては指の長い人を選定する必要のあることが分かる。またヴィオラやヴィオロンチェロ演奏の指導では「日常的に指の間を広げるようにする事」と、いわれる。マンドラの状況も同様だろう。
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