マンドリンのフレットは通常19フレット(E線のオクターブ上のB)までは打ち込んである。これはサウンドホールのほぼ上(ネック寄り)の位置になる。更に高音までフレットを延ばし、サウンドホールの真ん中あたりの24フレット(E線の2オクターブ上のE)まで打ち込んであるもの、2オクターブと4度上のAまで29フレット打ち込んだ楽器もある。ただし、この場合は一部のフレットが省略されている。古い楽器では17フレットまでのものもある。オールドマンドリンと言われる100年ほど前の楽器でもビナッチャやカラーチェの楽器は24フレットまで打ち込まれている。
合奏曲でも順次上昇するメロディーではオクターブ上のAは良く出てくる。実用上はオクターブ上のB(ドイツ式ではH)となる。鈴木静一の細川ガラシャのクライマックスで19フレット目の”B”が速いパッセージのピッキングで出てくる。
遅いパッセージで高い音を綺麗に出すには指よりも爪で押さえるようにすることが必要となる。