ハーモニックスは弦長の1/2、1/3、1/4…の位置に軽く触れて弾くことで、基音(弦の長さ分の振動)を抑えて倍音のみを響かせる奏法で、フラジオレットとも、ギターではアルモニコスともいう。マンドリン族のハーモニックスはピッキングの場合に利用され、トレモロでは不可能。 自然ハーモニックスと人工ハーモニックスがあり、自然ハーモニックスは開放弦に対して弦の長さの二分の一(12フレット)、三分の一(7フレット)、四分の一(5フレット辺り)などの所を軽く押さえて弦を振動させる。通常は左手の薬指などで弦を軽く押さえてピックで弦を弾く。ピックはややスルポンティチェロとし、ピックがダウンした瞬間に押さえた指を離すと良い音が出る。人工ハーモニックスは左の指で押弦し、右手は親指と中指でピックを持ち、人差し指を12フレット目、7フレット目などに触れて奏する。 オクターブのハーモニックスが多いが、7フレット、5フレットなども使われる。記譜法はギターと同様。Har.と記すか菱形の符頭を用いる。ギターでは多いが、マンドリンのハーモニックスが合奏曲で使われることは少ない。
自然ハーモニックスの記譜法と実際の音 オデルの4巻には左記のように多くのハーモニックスが紹介されているが、合奏では12、7、5フレットが実用的な範囲だろう
右手のハーモニックス
人工ハーモニックス(下記)
カラーチェ「鐘のガヴォット」(オクターブの人工ハーモニックス)
吉田剛士「Café Ruru」の終わりの部分(オクターブの自然ハーモニックス)
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