エルネスト・レクオーナErnesto Lecuona(1896-1963.11.29)はキューバの音楽家。ポピュラー音楽の「シボネイ」「そよ風と私」が有名だが、デビューはクラシック系のピアニストで、ピアノ曲など約600曲を残している。14歳でハバナ国立音楽院ピアノ科に入学し、1913年に17歳で金メダルを得て卒業している。
1930年代にはバンド「レクオーナ・キューバン・ボーイズ」を率いて米国、中南米、ヨーロッパ各地で演奏するなど、ラテン音楽に精力を注いで活躍した。
「アンダルシア」
ピアノ組曲の「アンダルシア」(Andalucia:1929)に、エミリオ・デ・トーレ(Emilio de Torre)がスペイン語の詩を、アルスティルマン(Al Stillman)が英語の詩を付けたものが、ポピュラーミュージックの「そよ風と私」(The Breeze And I)として知られている。
カトリーナ・ヴァレンテなど多くのカバーがあり、ジャズのスタンダード・ナンバーになっている。ヴォールテンペリーレンでは中川信良の編曲を若干アレンジして使っている。
「シボネイ」
Siboneyは1929年に発表されたラテンの名曲。レクオーナ自身により、スペイン語の歌詞がつけられている。日本では、ザビア・クガート楽団などの演奏でなじみ深い曲。1934年リリースの川畑文子のレコード「思い出のハヴァナ」があり、シボネイの一部に日本語の歌詞がつけられて歌われた。
シボネイとは西インド諸島に定住していたインディオのシボネイ族を指し、フロリダ半島、キューバ、ハイチや他の一部のカリブの島々に定住し、主に洞窟で暮らし魚を獲りながら自給自足の暮らしをしていた。