踊りと唄 ラファエレ・カラーチェ作曲 Danza e Cantabile Op.30

Raffaele Calace

 ラファエレ・カラーチェ (Raffaele Calace 1863年12月29日 - 1934年11月14日)はイタリアナポリ生まれの作曲家であり、マンドリン演奏家および楽器製作、出版と多方面に活躍した。彼はナポリの王立音楽院(Regio Conservatorio di Musica) でヴァイオリンと作曲を学んだ

 カラーチェはマンドリン音楽を広めるため世界各地でマンドリンとリュート・モデルノの改良型であるリュート・カンタービレのコンサートを開いた。日本にも1924年12月から翌年にかけて訪れ、東京・京都・名古屋など各地で演奏会を開いた。来日中に東伏見宮邸で皇太子時代の昭和天皇の御前演奏をしたことが知られている。

 ラファエレ・カラーチェの祖父は楽器製作者の初代ニコラ・カラーチェ(1794-1869)であり、父アントニオ (Antonio Calace, 1828年 - 1876年) も楽器製作者として知られている。 ラファエレの兄、ニコラ(Nicola Maria Calace, 1859年 - 1924年)も音楽家、楽器製作者である。ラファエレと兄のニコラの製作したマンドリンは従来のマンドリンに改良を加え、現代のナポリ型マンドリンの原型となっている。また、娘のマリア(Maria Calace, 1892年 - 1967年)、息子のジュゼッペ(Giuseppe Calace, 1899年 - 1968年)もマンドリン演奏家および製造と代々にわたるマンドリン一家である。(図は1831年の楽器)
 ラファエレの作曲は200曲に上るが、その多くはマンドリンの独奏、ピアノやギターとの二重奏、第一第二マンドリン、マンドラ、ギターの四重奏など、マンドリンの小編成となっている。

Danza e Cantabile

 Danza e Cantabileは日本名で「踊りと唄」が一般的。「舞踊調と歌謡調」「舞曲とカンタービレ」などとも訳されている。原曲はマンドリンとピアノの二重奏曲だが、日本では中野二郎により編曲された合奏曲として演奏されることが多い。マンドリンアンサンブル・ヴォールテンペリーレンでは2ndマンドリン、マンドラ、ギターにメロディーを持たせるなど一部を編曲し直した楽譜を使っている。(楽譜はギターアレンジ部分)曲はゆっくりしたカンタービレ部分と軽快なダンス部分が対比された親しみやすい曲である。